協会設立主旨

  1. 日本の米と文化

    日本の気候風土にあった米作りは稲が導入される縄文時代晩期には、わずか16万人にすぎなかった人口は紀元200年には250万人、800年頃には700万人と増加、人々を養うに至るこの期間に食糧需給の余裕が日本の各種文化を生み出す素地となりました。 さらに室町末期に始まった治水と水田開発は、日本中の川の流れを作り変え水路を作り、急峻で山襞の深い谷を埋め乾燥地を緑の沃野に変える大事業でありました。 これら先人の知恵と努力が世界有数の森林を育み、瑞穂の国の神々を崇め、祭りを華やかに彩る独特の文化を築き上げてきました。 水田にたたえられた水は、地下水を涵養し川の水を養い洪水を調整し、都市の上下水道にたえず供給する大切な役目を果たしています。 水田に必要な水を得るため、緑の山を守り育てる事は重要であり、世界に誇る日本の森林は米作りを支えてきました。

  2. 主食としての米の優れた点
    国富論の著者アダムスミスは、「米」について次のように賛辞を送っています。
    *栄養バランスと栄養価が高く優れている。
    *生産性が高い
    *長期保存が可能
    *美味しい
  3. 米作りの危機

    生産農家・流通業者・消費者は、それぞれが協力して日本の農業、引き継がれた文化、恵まれた自然を守ろうとする動きは残念ながら見あたりません。「農・流・消」の三者がそれぞれ何をすべきか課題を持ち寄り、実行すべきことはすぐやらなければ大切な日本の農業が破綻することは必定です。

  4. 相互信頼の構築

    生産農家は農作物の栽培で収入を得る。流通業者は適正な価格での販売ができ、消費者はこれを受け入れることではじめて生活循環が守られます。現在、価格を中心に三者の信頼関係は崩壊状態にあり、ややもするとこれを増幅する動きも見受けられます。 安ければ物は売れると思い込み利益も出ない流通業者の安売りが消費者に価格と品質に対する不信感をいだかせ信用基準を見失わせています。 生産農家は米価の大幅な低下に泣かされている状況から、今一番急がれる課題は、品質と価格を客観的に合致させ、良い物は誰が見ても良いという共通認識を築き上げることであると確信しております。

協会設立目的

  1. 米の信頼回復を計る

    日本酒のきき酒師、ワインはソムリエによって客観的に品質の鑑定された商品は、その内容にふさわしい価格が定着し、消費者に信頼と満足感を与え市場を公正に形成しています。 米の食味も同様に鑑定され、「米・食味鑑定士協会」が認定団体として栽培確認した信頼性の高い「米」を、消費者に商品選択の目安を提供する目的からその産地の風土・気候条件・栽培方法、栽培農家の情報がこれに付与された時、米は正しい価値と適正な価格で流通し始めます。 また、生産農家は信頼性の高い「米」を契約栽培することで安定した収入を確保する事が可能となります。消費者・生産者の双方から信頼される「米・食味鑑定士」を育成し、その資格を授与する事を第一の目的としています。

  2. 優れた米文化を守る

    春に神から授けられた種籾の返礼として、収穫期に新米を神に捧げるのが「秋まつり」で日本人にとって「米」は正に魂であり、神であり自己そのものです。神に捧げた「米」を神々と神主が直会の場で供食し、神主の主催で集まった人々がまた供食することで神と一体となると信じられています。 一つの釜のご飯を分け合って食べることで仲間になる。その「米」を作る水田が国をかたち作ります。稲田は故郷であり四季であり祖先の土地・わが村・わが地方・日本そのものを表しています。 毎朝仏壇に炊き立てのご飯を供えてから、家族が食事を始めるのは祖先との供食を示し生命の連続性が米を通じて確認されているのです。 都会人の新しいレジャーとして脚光をあびるグリンツーリズムも水田を守る事で可能になるのです。 私達は優れた「米」文化を守る活動を積極的に展開することを第二の目的にしています。